伝統再発見

朝日豊年太鼓踊り・米原市

朝日豊年太鼓踊り・米原市

基本情報
名称 朝日豊年太鼓踊り(あさひほうねんたいこおどり)
URL
文化財指定等 国選択無形民俗文化財
所在地 滋賀県米原市朝日 八幡神社(朝日)
電話番号 TEL:0749-58-2227
開催日 2011年は10月10日(月)
開催時間/td>

12時30分~
料金
※平成23年10月現在

八幡神社の境内で行われる朝日豊年太鼓踊り。

伊吹山の麓、米原市朝日に今から約1300年前から伝わる雨乞いの踊りがある。大原郷(おおはらごう)を開墾した際に始まったといわれているもので、伝承では賤ヶ岳の戦いで勝ちをおさめた羽柴秀吉が、陣鉦(じんじょう)・陣太鼓(じんだいこ)を打ち鳴らしたところ、大雨が降り出したので、それ以来、鉦や太鼓を用いるようになったとある。八幡神社の境内で、つま折笠に緋こて、カルサン袴の踊り手たちが胸に抱えた太鼓を打ちながら踊る。素朴な民衆芸能で国の無形民俗文化財に選択されている。

出発前に区長から踊り子らに声が掛けられる。

 朝日豊年太鼓踊りは、かんばつのときに踊ることを本旨としている。雨乞祈願と降雨による感謝のための踊りで、間田の岡神社、朝日の八幡神社の境内で踊りが行われていた。現在は伝統文化の保存・伝承のため毎年10月に八幡神社でのみ踊られている。
 祭りの当日、正午を回るころになると集会所の前に祭りの衣装を身につけた参列者らが姿を見せる。音頭と笛方は羽織と袴に花飾りをつけた笠。太鼓と鉦の踊り子は、つま折笠に襦袢、縞のカルサン袴、白足袋に草草履、手には緋こてをつけて竹でできたバチを持ち、背には金銀の御幣を負っている。子どもらも参加し、太鼓の踊り子と、ひょうたん型の作り物を持つ瓢振り(ふくべり)に分かれる。

伊吹山がよく見える中、大きな鉦を鳴らしながら八幡神社へと向かう。

 集会所前で踊り子らが太鼓を身につけ一踊りした後、八幡神社まで幟旗を先頭に道行が始まる。すこし先回りをすると広々とした田園風景の中、伊吹山を背景に祭りの行列が歩く姿を見ることができる。
 八幡神社の階段を登ると、行列は雨乞い踊の「行囃子」で踊庭に入ってくる。その後、「道行囃子」で輪をつくり、「場ならし曲」で打切り、「道行」の歌になり、「多良福」「烏飛」の曲があって、神社の周囲を「雨乞歌」をうたいながら巡る。音頭役と笛方に合わせて、境内いっぱいに広がった踊り子たちの太鼓や鉦の音が響き渡る。

つま折笠に緋こて、カルサン袴の踊り子らの姿が祭りを華やかに彩る。

 祭りを見に訪れた地元の女性は「伝統のお祭りをこうやって守っていくことはいいこと。夫、息子、孫と親子三代にわたって祭りに出ている姿を今年も見られてよかった」と話す。30年ほど前と比べると子どもも少なくなってきており、伝統を守り続けていくことへの課題は多いという。
 雨乞いの踊りの後には御礼踊が行われる。この踊になるとそれまでは輪の外で待っていた子どもたちも登場する。瓢振りが「穂かわせ」の曲をうたいながら踊り回る。これがすむと本殿への中央の道を挟んで畳がしかれ、「綾の本歌」「綾の居囃子」がその上で行われる。次に「新車の囃子」となって、「立拍子」「信楽の囃子」で終る。太鼓役の踊り子らが作った列の間を瓢振り役の子どもらが本殿の方へと進んでいく光景は見事である。
 小学5年生の男の子は「夏休みから練習があって大変だった。本番は疲れたけど楽しかった」と元気よく答えてくれた。祭りの後には境内で慰労会が行われていた。伝統を守ると同時に、祭りを通して地域の人々がつながっていることを感じさせてくれる。

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