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ホンミチ・近江八幡市沖島町

ホンミチ・近江八幡市沖島町

基本情報
名称 ホンミチ
URL http://www.za.ztv.ne.jp/okishima-cc/
文化財指定等 未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選(水産庁選定2006年)
所在地 近江八幡市沖島町
電話番号
営業時間
定休日等
料金 沖島への通船は片道500円
※平成24年2月現在

~琵琶湖に浮かぶ漁村の島~

船からみた沖島。堀切港から1日11本の通船が出ており、10分ほどで到着する。

 琵琶湖の沖合い1.5kmほどの位置に浮かぶ沖島。国内では唯一淡水湖の中で人が生活している島であり、島民の多くが漁業を担う漁業集落が形成されている。2006年には水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財百選」に島の生活道路であるホンミチが選定された。ホンミチは集落が形成されたころからのメインストリートで幅1~2mほどの狭さ。現在は湖側にもう一つ道があり、メインストリートとしての機能はこちらにあるという。島内を練り歩けば漁村の風景をあちこちで感じることができる。 

ホンミチと呼ばれる島内の道。両手を広げればいっぱいになるほどの狭さ。

 沖島は面積1.53k㎡、周囲6.8km、東西約2.5km、平成24年2月現在で300人ほどが暮らす小さな島で、島内には自動車が一台もなく、島内の移動にはかご付きの三輪自転車が利用されている。島には民家だけでなく、西福寺、願證寺、奥津島神社、弁財天といった寺社に加え、近江八幡市立沖島小学校がある。
 現在の島の産業は漁業が中心だが、かつては石材業が盛んであった。島の地形が変わるほど切り出されたといい、明治期には琵琶湖疎水、南郷洗堰、東海道線の鉄道工事などに使用されている。しかし、時代の流れで、現在、島の北側にある跡地は畑となっている。
沖島は今からおよそ6万年前にできたと言われている島。島内に数千年前の遺跡があることや、島付近から縄文土器が見つかるなど古来より人々の往来があったことが分かっている。和銅年間(708~715)には、藤原不比等が奥津島神社を建立し、その後、恵美押勝(藤原仲麻呂)が一族らと共に一時期住んだと伝えられている。このころは寺社の関係者数名が住んでいたという。
本格的に人が住むようになったのは保元・平治の乱(1156~1159)の後のこと。平家に敗れた源氏の落ち武者が山裾を切り開き、漁業を生業として居住したことに始まるという。彼らが島民の祖先とされており、この7人の姓である「小川」「北」「茶谷」「中村」「西居」「久田」「南」の名前の島民が多い。
 人が住み始めたころは自分達が食べるためだけの漁を行っていたと考えられるが、琵琶湖に浮かぶ島という地理的に非常に重要な拠点であることから権力者からは重要視されてきた。室町時代には8代将軍足利義政が島民に行き交う船の取り締まりを命じた。また戦国時代には、織田信長が浅井長政に対して行った「手筒山の戦い」や「小谷城攻め」の際に、島民に船を差し出すように命じたと言われている。このときの活躍により、感謝状と琵琶湖一里四方を禁漁区とする特権を与えられたといわれている。島にある歴史資料館ではこれらの書状などが展示されている。1580年後半から豊臣秀次によって初めて本格的な港が造り始められ、江戸時代初期には完成した。昭和55年まで沖島漁港として活躍していたが、現在は埋め立てられている。

島の暮らしを支える船。1人で2隻所有している人もおり、漁師よりも船の方が多いそうだ。

 現在も島民の殆どが漁業関連の仕事に関わっており、島内世帯数の7割が沖島漁業協同組合に加入している。操業範囲は琵琶湖一円に渡り、季節によってとる場所と方法が異なる。沖島では主に刺網、沖びき網、小型定置網、貝びき網、などの漁業が行われている。
 代々続けられて来た漁ではあるが現在は存続の危機にある。昭和48年以降の琵琶湖総合開発の影響や赤潮発生などの水質汚染、外来魚やカワウの増加による生態系の変化等により漁獲量が大幅に減少したという。これに加えて島民の高齢化による後継者の問題も大きい。漁師の小川さんは「昔は中学の卒業と同時に親の船に乗って漁に出ていた。昔と比べて魚の獲れる量は実感で3分の1ぐらいに減っている」と話す。

島内で商店を営む井上さん。「若い子たちが出て行くのでやっぱり寂しいなという気持ちがある」と話す。毎朝船で仕入れにいき、昼ごろから店を開けるという。

 島に愛着を感じ、ずっとこの島で暮らしたいという島民の思いから、沖島が抱える様々な問題に対しては島全体で取組が成されている。平成13年度には近江八幡市長に対しての提言を行い、その翌年には提言に基づいた推進計画を策定するなど、沖島の住民と行政が協働しながらまちづくりが行われている。ここ近年の動きとしては、外来魚をまるごと使用したペットフード「おさかなまるごと」の開発販売、ふなずし手作り講習会などの独自イベントの開催、漁協婦人部「湖島婦貴(ことぶき)の会」による屋台やホームページでの湖魚加工品販売など、島内の活性化と島への観光客増加のためにユニークな取組みが推進されている。
 大阪から観光で訪れたという男性は「初めて来ましたがどこかなつかしい風景だと感じました。また別の季節にも来てみたい」と話した。沖島へは堀切港から1日11本運行している沖島通船を利用(日曜は9本)。乗り場である堀切港へは、近江八幡駅北口より近江鉄道バスで休暇村行き「堀切港」下車。船にのって10分ほどで沖島に到着する。

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