歴史再発見

旧琵琶湖ホテル・大津市柳が崎

旧琵琶湖ホテル・大津市柳が崎

基本情報
名称 旧琵琶湖ホテル(※現、びわ湖大津館)
URL http://www.biwako-otsukan.jp/
文化財指定等 大津市指定有形文化財、近代化産業遺産認定
所在地 滋賀県大津市柳が崎5‐35
電話番号 077-511-4187
営業時間 会議室の利用は9:00~21:00 、多目的ホールの利用は9:00~22:00
定休日等 無休
料金 見学は無料。多目的ホール「桃山」および会議室の利用は有料
※平成23年7月現在

~湖国第一のホテルと称された滋賀の迎賓館~

びわ湖大津館正面。びわ湖のほとりに城が建っているような印象をうける外観。

 海外からの観光客を誘致する目的で琵琶湖の湖畔に建てられた旧琵琶湖ホテル。天皇陛下をはじめ皇族の方々も宿泊されたほか、ヘレン・ケラーやマラソンのアベベ選手など海外の著名人も宿泊したことで知られ、『湖国の迎賓館』とも呼ばれていた。平成10年8月31日に閉館し、ホテルとしての役割を終えた現在、ホテル本館を大津市が取得し、びわ湖大津館として市民のサークル活動の場などで活用されている。

(左)客室。現在は会議室となっている。(右)3階スイートルーム。現在は特別展示室としてホテル時代を知ることができる。一般に無料公開している。

 旧琵琶湖ホテルは昭和9年(1934)10月にリゾートホテルとして開業した。設計は東京歌舞伎座などで有名な岡田建築事務所が担当、昭和初期の近代建築である。当時としては鉄筋コンクリート造りでは珍しく、社寺建築をモデルに造られている。現在も当時の姿を残し、日本の城のような雰囲気がある桃山様式とよばれる和風の外観、館内は赤絨毯で象徴される洋風の内装となっている。当時の宿泊料金はシングル5~15円、ダブル8~22円、食事料金は朝食が1円、昼食2円、夕食2円50銭という設定であった。戦後進駐軍に接収されていた時期があったが、激動の時代の中で滋賀県の迎賓館としての役割を果たしていた。

(左上)鬼瓦:正面玄関前に設置されている。(右上)風鐸:ホテル時代には軒下の照明として利用されていた。(左下)タイル張り:2階テラスは一面がタイル張りとなっている。(右下)木製建具と唐草飾り:一部に残る木製の建具1948年までは外窓として使用されていた。

 建物は平成12年9月に大津市指定有形文化財として指定され、平成19年には経済産業省指定の近代化産業遺産に指定された。当時の新聞には「湖国第一の近代ホテル」と紹介されている。近代建築の見所として15のポイントがパンフレットなどで紹介されており、見学の際には参考にしてほしい。館内の見学は無料ででき、昭和初期の近代建築にふれることができる。38の客室とスイートルームは現在では客室としての機能はなく、会議室と展示室となっている。3階北側の部屋は特別展示室となっており、ここに宿泊された方々の紹介が当時の写真とともに紹介されている。また南側の部屋は市民の展示スペースとして公開されている。館内のエレベーターは昭和32年に設置されたもの。停止階表示などは補修して利用しており、当時の様子を伺うことができる。

1階のレストランからは琵琶湖の景色を望むことができる。

 現在のびわ湖大津館では貸館事業をおこなっており、100名~150名ほどで使える多目的ホール「桃山」や、会議室を利用することができる。当時のホテルの雰囲気も残しており、館長の中村公昭さんは「ホテル閉館後も形を変えて現存している。このことをもっと多くの人に知ってもらいたい」と話す。訪れた人や利用者の中には当時を懐かしむ人もいるという。平成10年に閉館となり、琵琶湖ホテルは新しく浜大津に移築となったが、旧ホテルからの伝承が現在のホテルの各所に自然な形でちりばめられているという。ロビー階にあった和風バンケットは同じくロビー階のフローリングの宴会場とし て、ロビーで客を迎える海女の像などの美術品も旧ホテルから引き継がれている。
 びわ湖大津館横にはイングリッシュガーデンがあり、12月~2月の冬季休園時期を除いて季節の花を楽しむことができる。また館内にはカフェやレストランも併設されており、琵琶湖の景色を眺めながら食事が楽しめる。8月のびわ湖花火大会では展望席も用意され、食事を楽しみながらゆっくりと花火を楽しむこともできる。

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