歴史再発見

苗村神社・竜王町

苗村神社・竜王町

基本情報
名称 苗村神社(なむらじんじゃ)
URL
文化財指定等 【国宝】西本殿  【重要文化財】東本殿、八幡社本殿、十禅師社本殿、楼門、御輿庫、木造不動明王立像
所在地 滋賀県蒲生郡竜王町綾戸467
電話番号 0748-57-0160(但し受付は9:00~17:00)
拝観時間 参拝は自由
定休日等
料金
※平成24年1月現在

遠くからでもよく見える禅宗様が混在する雄大な苗村神社楼門(重要文化財)。室町時代の建造物。

 滋賀県蒲生郡竜王町には包み込むように広がる森に囲まれた苗村神社がある。近郷の33ヶ村にわたって氏子を有する総社で、律令時代の法典である延喜式神名帳には「長寸(なむら)神社」として列座する式内社である。現在の「苗村」の名は、寛仁元年(1017)に朝廷へ正月用の松苗を献上したことにより後一条天皇より賜ったもの。南北に走る県道を境に東と西に本殿があり、西本殿が国宝、東本殿が国の重要文化財に指定されている。

国宝に指定されている西本殿。拝殿から見て両脇の左に八幡社本殿、右には十禅師社本殿が鎮座し、西本殿東前方には御輿庫がある。(写真:苗村神社提供)

 遠くから見ても一際目立つ楼門、ここを通った先に西本殿がある。ここには国狭槌命(くにのさつちのみこと)と那牟羅姫神(なむらひめのかみ)の2柱が祀られており、棟札から鎌倉時代の徳治3年(1307)に建てられたことが確認されている。社殿の様式は三間社流造で母屋の内部を一室として、中央背面寄りに厨子が安置されている。母屋の前には菱格子戸を用いて前室が設けられており、閉鎖的にならないよう優美な形となっている。正面は間口一間の向拝が設けられている。今からおよそ700年前の建造物で、歴史的に貴重なものとして蒲生郡では唯一国宝に指定されている建造物である。

東本殿へ行く鳥居の前にある「式内長寸神社」の石碑。木々の間を通って奥に東本殿が位置する。

 一方、県道を挟んで東側の森には東本殿があり、那牟羅彦神(なむらひこのかみ)が祀られている。一間社造りで屋根は檜皮葺。正面は格子戸で、内陣の扉は幣軸を付した板扉が設けられている。詳しい建立時期は明らかとなっていないが、向拝の一部に15世紀の特色がみられるため室町時代の前半期ではないかと推測されている。
 東と西に本殿があるのは県道によって分断されたのではなく、これは建立当時から参道が通っていたようで元々このように建てられているそうだ。また神社を包むようにある鎮守の森は氏子によって手入れが行われている。

木造不動明王立像。正月3が日と8月3日が御開帳日。普段は非公開だが、予約で5名以上であれば特別に拝観できる。(写真:苗村神社提供)

 苗村神社は東西の本殿の他、八幡社本殿、十禅師社本殿、御輿庫、楼門など重要文化財に指定されている中世の建造物を有し、長い歴史の中にあった神仏習合時代の名残もみることができる。それが、国の重要文化財に指定されている木造不動明王立像である。明治以前までは苗村神社には苗村宮庵室と呼ばれていた僧坊があったといい、その庵室の護摩堂本尊であったという。羂索を握る左手をまっすぐに伸ばして手先を正面にもってきて力む様子など、鎌倉時代的な要素が強いことから鎌倉時代でも早い時期に造られた像だと考えられている。
 苗村神社には毎年春や秋に行われる例祭のほかに、33年に1度行われる式年大祭(三十三年大祭)がある。元々は毎年9月5日に氏子33ヶ村が列座する大祭として行われていたが、慶長4年(1599)から33年に1度行うものとなった。
 次で13回目を向かえ迎え、平成26年10月11、12、13日の3日間で行われる。前回は昭和57年10月に行われ、1200人の時代行列が出るなど大掛かりなものであった。33年ごとに衣装や山車などを一からつくりなおすため、平成19年11月24日に「苗村神社三十三式年大祭奉賛会」がを設立し祭りの準備をしている。このお祭りを3回見ることができたら幸せであるとも言われており、苗村の大祭りと呼ばれて地元では楽しみしているという。
 苗村神社の禰宜・小野定章さんは「ここには中世の建造物が多く残っています。訪れた際には先人の思いや歴史に思いをはせてください。ゆっくりと、そして落ち着いて時間を感じながらお参りしてほしい。」と話す。

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