歴史再発見

旧長浜駅舎・長浜市北船町

旧長浜駅舎・長浜市北船町

基本情報
名称 旧長浜駅舎(長浜鉄道スクエア内)
URL http://www.nagahamashi.org/tetsudou/index.html(長浜鉄道スクエアHP)
文化財指定等 県指定有形文化財、旧国鉄鉄道記念物
所在地 長浜市北船町1-41
電話番号 0749-63-4091
営業時間 9時30分~17時(入館は~16時30)
定休日等 12月29日~1月3日
料金 300円(長浜鉄道スクエア)
※平成23年1月現在

~現存する日本最古の駅舎で鉄道の歴史に触れる~

旧駅舎外観。文明開化を象徴するモダンな建築だ。建物前の庭には旧北陸線山中トンネルの石額などが飾られている。

 JR長浜駅の線路沿いに見える白壁の洋館が旧長浜駅舎だ。明治15(1882)年に北陸線の始発駅として完成した旧長浜駅舎は、現存する日本最古の駅舎で、昭和33(1958)年、第1回の鉄道記念物に指定されている。旧駅舎は明治36(1903)年まで使用されていたが、一時倉庫として使用された後、昭和58(1983)年から資料館として一般公開が始まった。現在は隣接する2館、2000年開館の長浜鉄道文化館、2003年にできた北陸線電化記念館と合わせて「長浜鉄道スクエア」と呼ばれており、年間6万人余りの人々が訪れている。

旧駅舎の内部では、人形や調度品などを配置して、当時の駅の様子を再現している。

 長浜-敦賀間の鉄道が開通されたのは、新橋-横浜間、大阪-神戸間についで、日本で3番目。明治政府の国運を賭けた一代事業の一環として取り組まれたものであった。駅舎は日本初の鉄道が開通した際、起点駅となった新橋駅を手本にして造られたという。 設計は英国人技師ホルサムが担当。文明開化を象徴するかのようなイギリス式の洋風2階建が特徴だ。東西24.5m、南北は9.7m、木骨構造の石灰コンクリート造り。壁の厚さは50cmもある。1階は駅事務所と待合室、現在非公開の2階には敦賀線の管理を扱った鉄道事務部門があった。両階共に暖炉が設けられ、回り階段、彫刻入りの欄干など、鹿鳴館を思わせるモダンな雰囲気を今に伝えている。

長浜鉄道文化館の天井は鉄棒と丸太を使ってアーチ状に仕上げた三角トラスト構造。欧州の駅舎をイメージしている。

 日本海側にある敦賀港から琵琶湖に繋がる道は、塩や米などの物資を京阪に運ぶ重要な輸送路として扱われてきた。現在は琵琶湖を迂回する形で琵琶湖線と湖西線に分かれて運行しており、山科駅で合流し、大阪、兵庫へと繋がっていく。しかし、当時は長浜からは船で湖上を進み、大津でまた陸路に出るという日本初の鉄道連絡船が就航していた。鉄道建設費を抑えて、早く日本中に鉄道網を広げたいとの考えからとられたルートでもあった。長浜駅舎のすぐ横に桟橋が設けられ、長浜-大津間をおよそ3時間半で結んだという。明治22(1889)年に長浜-大津間にも鉄道が開設され、鉄道連絡船は7年間の役目を終えて廃止されている。
 旧長浜駅舎に併設する長浜鉄道文化館には、長浜のみならず滋賀を取り巻く交通の歴史、琵琶湖水運を説明した資料が多数並び、旧駅舎が華やかだった当時の遺物が収集・展示されるなど、広い意味での鉄道がよくわかる展示が行われている。館内には学芸員が常駐し、解説や質問への対応も行う。長浜観光協会の尾﨑耕介さんは「古い物を見せるだけでなく、歴史そのものを伝える施設」だと話す。子どもから大人まで、年齢を問わない施設なので、じっくり見て楽しんで鉄道の歴史、ひいては長浜全体に興味を持ってほしいとも語った。

北陸線電化記念館では、北陸線で活躍した歴史的車両「ED70形1号機交流電気機関車」と「D51形793号機蒸気機関車」を展示。

 学芸員の木村宏さんは旧駅舎について「長浜という地が開発の波に飲み込まれなかったおかげで残った施設です」としながらも、倉庫などに転用が利いたことや間仕切りが無くても十分な強度を保つことができるなど、建物自体が優れていたためだとも話す。「旧長浜駅舎や土地に残る鉄道の歴史は、市民の誇りだと思います。素直な気持ちで長浜鉄道スクエアに来てもらって、楽しみながら歴史文化に触れてほしいですね」と話した。
(取材日:平成22年12月8日)

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