美 再発見

栗東 なかよし作業所の窯焚き


栗東のなかよし作業所の陶芸窯が金勝の山の中にあります。
この窯のある小屋でシンちゃんは毎日黙々と作品作りに精を出します。
シンちゃんこと澤田真一くんが製作するトゲトゲがいっぱいの陶芸作品は日本のアールブリュットの看板的存在だそうです。
「美術業界」の事は門外漢の私には判りませんが、そんな私が見てもシンちゃんの作品にはただならぬ魅力を感じます。
私は今年、この窯場に週に一回通いシンちゃんの横で作品を生み出す指先を、どこか宇宙を見てるような視線の先を探しました。

田村一二先生の元で障害者施設の職員であり、陶芸を指導し続けて来た御年80歳の池谷先生がシンちゃんの制作を見守っていらっしゃいます。
窯の周りに植えた果樹を無農薬で育て、草を刈り、薪を割り、窯の補修をし、支えて来られたのです。その池谷先生が「シンちゃんに生かされているんだよ」とおっしゃっていました。
年に3回、ここの窯で薪でシンちゃんと、週一回制作に来るチカちゃんの作品を焼きます。
保護者、職員、その家族さんたちなどが順番に昼夜火の番。
3日目の朝、今回は順調に温度も上がり、いいカンジに焼けたようです。
陶芸作品はこんなみんなの努力に支えられているのだと目の当たりにし、そしてそれもシンちゃんあってこそ、シンちゃんに私たちは生かされているのだと、池谷先生の言葉を噛み締めるのでした。
そんな摩訶不思議なシンちゃんは私にはなんだか生きている仏さんのような気がしてしまうのです。

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