歴史再発見

旧醒井郵便局局舎・米原市醒井

旧醒井郵便局局舎・米原市醒井

基本情報
名称 旧醒井郵便局局舎(米原市醒井宿資料館)
URL
文化財指定等 国登録有形文化財
所在地 米原市醒井592番地
電話番号 0749-54-2163
開館時間 9時~17時(※入館は16時30分まで)
定休日等 毎週月曜日、12月27日~1月5日
(※月曜日が休日の場合は、翌日休館)
料金 大人(高校生以上)200円、小人(小・中学生)100円
※平成22年10月現在

~醒井宿の趣きある町並みに溶け込んだ、ヴォーリズ建築~

モダンなデザインだが醒井の景色に見事に溶け込んでおり、一体感がある。

モダンなデザインだが醒井の景色に見事に溶け込んでおり、一体感がある。

 旧中山道61番目の宿場として栄えた醒井宿。かつての宿場町には、今も当時の風情を感じさせる町並みが残っている。現在、醒井宿問屋場とともに、「中山道醒井宿資料館」として利用されているのが、旧醒井郵便局局舎だ。この建物は、アメリカ出身の建築家で実業家としても活躍した、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計に関わったとされる。

資料などが展示されている2階スペース。建物の内側をじっくり見るだけでも面白い。

資料などが展示されている2階スペース。建物の内側をじっくり見るだけでも面白い。

 醒ヶ井には明治34年(1901年)に最初の郵便局が建設され、この旧醒井郵便局局舎は大正4年(1915年)に創建された擬洋風建築の“二代目”郵便局局舎だ。昭和48年(1973年)に三代目局舎へ移転するまで、この建物が郵便局として使用され、郵便局員や電話交換手が最大23人も勤務していた。郵便局として使われなくなってから資料館になるまでは、倉庫や地区の集会所として使用されていたという。旧醒井郵便局局舎は、平成10年に国の登録有形文化財に登録された。
 ヴォーリズが設計に関わったとされる創建当時の局舎は木造だったが、昭和9年(1934年)に外壁をモルタル張りにするなどの改修が行われ、このときに建物の玄関が向かって右側から中央に移動するなど、間取りも変更されている。ただし、基本的な内部構造は建てられた当時のものをそのまま利用している。資料館として建物を再利用するために実施された、平成11~12年(1999~2000年)の修復工事によって、過去の工事の痕跡が発見されている。
 旧醒井郵便局局舎の向かって右側にある建物は、郵便局長の家として昭和10年ごろに建てられたもので、以前は局舎と内部で繋がっていたが、今は空き家になり通路の扉も封じられている。

1階は休憩スペースとして開放されている。建物の外観に引き寄せられた観光客が、熱心に建物の由来などの説明を読んでいた。

1階は休憩スペースとして開放されている。建物の外観に引き寄せられた観光客が、熱心に建物の由来などの説明を読んでいた。

 1階は無料の休憩スペースとして開放され、醒井宿を紹介するパネルなどが展示されている。何人もの観光客が建物や資料を興味深そうに眺めながら、足を休めていた。また2階は、醒井地区の歴史に関する資料や古文書が展示されている有料のスペース。これらの資料は、醒井宿の庄屋・問屋を代々務めた江龍宗左衛門家伝来のもので、長さが5mを超える大きな「醒井宿絵図」に当時の醒井宿の様子が描かれている。2階の間取りは和洋折衷で、なんとも不思議な感じがする。床の間のある和室のすぐそばに、モダンな大きい出窓があり、その取り合わせからヴォーリズの思いが感じられるようだ。

醒井宿を流れる地蔵川に架かる橋。近くには西行水と泡子堂と呼ばれる場所がある。

醒井宿を流れる地蔵川に架かる橋。近くには西行水と泡子堂と呼ばれる場所がある。

 中山道醒井宿資料館・館長の山岸宏さんによると、「昭和に入ってからも、何度も内部に手が加えられました。例えば、最初は吹き抜けだった部分に床が張られたりしています。これは電話が普及し加入者が激増したため、現在地では狭隘のため交換機(台)を設置するために行った工事です。一方で、天井の板は屋久杉を使用しており、これは当時のままです」とのこと。郵便局の歴史とともに時代の変化を乗り越えながら、この建物も少しずつ形を変えていったようだ。
「昔の宿場町の風景をのこす醒井の町並みに、ヴォリーズの手による建物が保存されているのは、素晴らしいことだと思います。ヴォリーズの建築を見にこられた方には、醒井宿の歴史を知っていただき、醒井宿の歴史を調べにこられた方にはヴォリーズの建築のよさを見てもらえます。どちらも時代の波を乗り越えながら、いつまでも『よいものは時代を超えて残っていく』象徴であればいいと思います」と語ってくださった。
(取材日:平成22年10月1日)

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