伝統再発見

三井寺千団子祭・大津市園城寺町

三井寺千団子祭・大津市園城寺町

基本情報
名称 千団子祭(せんだんごまつり)
URL http://www.shiga-miidera.or.jp/ae/05.htm
文化財指定等 【国指定重要文化財】本尊の護法善神立像(ごほうぜんしんりゅうぞう)
【大津市指定文化財】護法善神堂
開催地 三井寺内護法善神堂周辺(大津市園城寺町246)
電話番号 077-522-2238(三井寺)
開催日 毎年5月16~18日
開催時間
料金 無料(三井寺境内は拝観料500円)
※平成22年5月現在

~600年もの間続いてきた子供の無病息災を祈る祭り~

 

 天台寺門宗の総本山、三井寺にある「護法善神堂」を中心に繰り広げられる「千団子祭」は、毎年5月16日から18日までの間開催される子供の無病息災と安産を祈願する祭り。三井寺の守護神として祀られている鬼子母神の法要行事で、その起源は600年前にまでさかのぼる。「護法善神堂」(大津市指定文化財)の本尊で、国の重要文化財にも指定されている護法善神立像(ごほうぜんしんりゅうぞう)に千個の団子をお供えすることから、この「千団子祭」という名前がついたのだという。祭りの期間中は、境内に露店が所狭しと並び、一年に一度という本尊の御開帳も行われるため、子供からお年寄りまで多くの人でにぎわう。

 仏教で訶梨帝母(かりていも)とも呼ばれる鬼子母神は、もともとはインドから来た神様で、サンスクリット語(梵語)では「ハーリティ」という。千人の子をもつ鬼子母神は、自分も母なのにもかかわらず、他人の子を捕まえては殺して食べる極悪非道の行いをしていた。そこで仏陀は鬼子母神がもっとも愛情を注いでいた末っ子を隠し去り、子を失った母の苦しみを悟らせ、仏教に帰依させたという。心を改めた鬼子母神はその後仏教の守護神「護法善神」となり、子供の無病息災と安産などをかなえる神様として広く信仰されるようになっていった。三井寺では、開祖、智証大師円珍が幼少のころに訶梨帝母(鬼子母神)が現れ、大師を守ると伝えたという由縁もある。
これらの話がもととなり、鬼子母神を供養する「千団子祭」が開かれるようになったとされる。天女のような姿の鬼子母神は、左手に子を抱え、右手には子宝の象徴ともされる吉祥果(ざくろ)をもっている。鬼子母神の千人の子供を供養するために千の団子を供えるのがこの祭りの慣わしだ。

「放生会」で池に放流された亀。甲羅には子どもの名前が書かれている。

 「千団子祭」初日は、午前から法要が営まれ、集まった子供たちの成長を願って、「護法善神堂」(千団子社ともいう)前の池に亀を放つ「放生会」(ほうじょうえ)も行われる。これは、甲羅に子供の名前や生年月日を記した亀を池に放し、子供の無病息災を祈念するもので、生きとし生けるものへの慈愛のこころを育むという意味合いも含んでいる「千団子祭」ならではの一幕だ。5月16日~18日の3日間は、「護法善神堂」の本尊が年に一度の御開帳するときでもあり、真剣な眼差しで手を合わせる参拝客の姿が大勢見られた。また、境内では植木市のほか、この祭りにちなんだ「千団子」などの食べ物を扱う多彩な露店も並び、参拝を終えた人々の目を楽しませていた。
(取材日:平成22年5月)

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