伝統再発見

多賀大社古例大祭・犬上郡多賀町

多賀大社古例大祭・犬上郡多賀町

基本情報
名称 多賀大社古例大祭
URL http://www.tagataisya.or.jp/info/koreitaisai/index.html
文化財指定等 多賀大社奥書院庭園は国指定名勝
開催地 犬上郡多賀町多賀604
電話番号 0749-48-1101(多賀大社)
開催日 毎年4月22日
開催時間 8時30分~17時
料金
※平成22年10月現在

~華麗な行列が風情ある絵馬通りの町並みをゆく~

多賀大社古例大祭の風景1

 「お多賀さん」、多賀大社のことを地元の人は親しみを込めてそう呼ぶ。犬上郡多賀町にある多賀大社の祭り、「多賀まつり」は、五穀豊穣を祈る「お多賀さん」の古例大祭だ。毎年4月22日に行われるこの祭りの起源について確かなことはわからない。記録によれば少なくとも鎌倉時代には盛大に行われていたとされる。年間を通じていくつもある多賀大社の行事のうち最も重要な祭事といわれ、40頭もの騎馬がかかわることから「馬祭り」とも称される。この祭りでは、総勢500人が時代衣装を身にまとい、長い列を成して練り歩く姿が見もの。古い絵巻に出てくるようないでたちの行列は、江戸時代の十万石の大名行列にも匹敵するという。

多賀大社古例大祭の風景2

 別名「馬祭り」とも呼ばれる「多賀まつり」では、「馬頭人」(ばとうにん)と「御使殿」(おつかいでん)といわれる役回りの人が主役を務める。この二役が決められるのは、その年の1月3日。4月に入ると馬頭人と御使殿は、22日の祭り当日までに神様を迎え入れる「御神入式」や、神様に御供物を献じる「大御供式」(おおみごくしき)などを執り行う。
 多賀まつりは多賀大社の一番大切な行事というだけあって、地元周辺の協力とともに毎年大勢の人出でにぎわう。2010年4月22日の祭典当日は平日でさらに雨天だったこともあり、午前中はそれほど多くの人出はなかった。朝8時半から始まった本殿での神事が終わり、10時ごろにお渡りの行列を整えて大鳥居をくぐって出発。行列は境内を出てすぐに二手に分かれ、馬頭人、御使殿らは犬上川下流の賓台(ひんだい)と呼ばれる場所で「御幣合わせ」の儀式を行い、馬、神輿ほかの一行は芹川上流の栗栖という集落にある調宮(ととのみや)へと向かった。

多賀大社古例大祭の風景3

 調宮へ向かう一行は、多賀大社から車の行きかう国道306号線を通り、芹川方面へ折れて田園風景のなかをゆく。途中、古民家が残る趣のある集落を抜け、芹川を挟む山峰を背景にゆっくりと歩を進める。多賀の町を出てのどかな田舎道をゆく一行。「パッカ、パッカ」と馬のひづめの音が一定のリズムで鳴る。その光景は、いまも昔も何百年前もほとんど変わらぬ、優雅で整然としたものであった。栗栖の集落に入ると、そこで一行は大太鼓と鉦の音に出迎えられ、芹川に架けられた橋を渡り、調宮の境内へと入った。一行は調宮で昼食休憩をとり、宮司ら中心役は本殿で神事を執り行った。調宮での神事を終えると、一行はまた多賀大社へと帰ってゆく。冷たい雨が断続的に降るなか、幼稚園の園児たちが行列に手を振る。それに応えるように神輿の担ぎ手たちが掛け声とともに神輿を差し上げる。

多賀大社古例大祭の風景4

 午後2時ごろ、馬頭人、御使殿の一行と調宮から戻った一行が多賀大社前で再度合流。古い町並みが残る多賀大社参道「絵馬通り」を進み、名神高速道路の脇にある尼子の打籠馬場へと向かう。ここでは「富ノ木渡し式」という儀式が行われ、午後3時半ごろから行列は多賀大社へと戻ってゆく。これが「本渡り」と呼ばれる「多賀まつり」最大の見せ場で、行列には馬や神輿に加え、かつて大名行列に見られたという「奴振り」の姿も見られ、この瞬間を一目見ようとする見物客が絵馬通りを埋め尽くした。
 多賀大社境内に「本渡り」を終えた行列が着くと、午後5時から宮司ら神職と稚児らを中心に、祭の関係者が本殿を3周して神事を行う「夕日の神事」が行われた。この神事が「多賀まつり」の締めくくりとなるが、このときには見物客はほとんどおらず、静かな境内に美しい雅楽の調べが響き渡り、厳粛な空気に包まれた。
(取材日:平成22年4月22日)

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