芸術再発見

石山アートプロジェクト・大津市石山

石山アートプロジェクト・大津市石山

基本情報
名称 石山アートプロジェクト
URL http://ishiyamaartproject.wordpress.com/
文化財指定等
開催地 石山商店街
問い合わせ 滋賀県立大学人間文化学部生活デザイン学科佐々木研究室
開催日 2009年4月〜2012年3月
定休日等
料金
※平成23年11月現在

~地域に活力を与える学生プロジェクト~

2011年は「言葉とアート」をテーマに石山商店街で開催された「石山アートプロジェクト」。(写真提供:いしアート)

 石山商店街で2009年より行われてきた石山アートプロジェクト。石山商店街振興組合の協力のもと滋賀県立大学の学生らが中心となって企画運営するアートイベントだ。主催するのは滋賀県立大学の学生団体「近江楽座」のプロジェクトの一つ『いしアート』。2011年は「言葉とアート」をテーマに落語に挑戦。

空き店舗などを活用して寄席が行われた。プロジェクトチームが作った会場はここでしか感じることのできない空間となっている。(写真提供:いしアート)

「それぞれの領域を持つ人が共に作品作りを通して石山について再発見してもらう機会を作りたい」と、石山商店街をフィールドに地域の人はもちろんのこと、ハンディキャップを持つ人やプロのアーティストらをつなぎ、石山でしかつくることができないアートを目指す。また、ワークショップなどを通して商店街の空間を活用する試みも行われている。
 京都駅からは約14分、大阪駅からは約44分という立地から京阪地区のベッドタウンにもなっている石山。町の中心にはJRと京阪の駅があり、周辺には企業の工場がある工業地域という一面ももっている。また、石山寺や瀬田の唐橋、立木観音や岩間寺といった観光地の玄関口でもあり、歴史散策が楽しめる。
 JR石山駅の南口から町へと出ると、旧東海道に多くの商店が並ぶ。そこが石山商店街である。戦前は松並木が残り往年の東海道を感じさせる場所であったというが、時代の流れとともに景色は変わっていく。工場が誘致され、そこで働く人々が住み着き、映画館や百貨店もある商店街へと発展していったという。しかし、これもまた時代の流れか、次第に娯楽施設が消えていき大型店舗はマンションや駐車場へと変わっていった。そして現在、人々の買い物の方法が多様化したことで商店街離れが進行している。
 石山アートプロジェクトではこのような状況の中、買い物以外の目的で商店街を訪れる人とのつながりをつくることで、商店街の新たな楽しみ方をつくり、より多くの人に商店街を知ってもらうきっかけづくりを行っている。

ワークショップを通してみんなで1つの作品を作り上げる。(写真提供:いしアート)

 石山アートプロジェクトが始まったのは2009年。発起人は同じく滋賀県立大学の林宏美さん。ハンディキャップを持つ方などの社会参加に関心を持っていたことから、色々な人がコミュニケーションを持てる『場』を作りたいとプロジェクトを立ち上げたものだ。最初の年となる2009年は石山の商店街を歩いてその中で見つけたものを作品の中に取り入れてネームプレートを作った。参加者一人一人がばらばらに作品を作るのではなくワークショップを通して皆で一つの作品を作った。

年齢も性別も様々な人が訪れてイベントに参加した。(写真提供:いしアート)

 現『いしアート』代表の川村浩一さんは2009年立ち上げのときからのメンバー。川村さんは商店街の人々との交流の中で「学生に取り組んでもらっており、集客などの経済効果についてはそれほど期待していない。それ以上に期待しているのは学生らしい新しい発想や地域の人々の中にはないアイディアだ」という言葉を聞いた。自分達学生の取り組みはいかに地域に対して刺激を与えることができるか、変化のきっかけになることができるかが大事だと気付いたという。
 活動を通して、石山商店街で行われる石山とれ取れ見本市祭や、石山アートプロジェクトへの滋賀大学の学生らの参加、NPOとの協力など新たな動きも出てきた。「地域の外の人間であってもこのような関わり方で貢献できるのだと学んだ」と川村さんは3年間を振り返る。

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