芸術再発見

風と土の交藝 in 琵琶湖高島

風と土の交藝 in 琵琶湖高島

基本情報
名称 風と土の交藝
URL http://www.musubime.tv/event/kazetotsuchinokougei.html#
文化財指定等
開催地 滋賀県高島市内
問合せ info@musubime.tv
開催日 第2回は2011年12月2日、3日、4日に開催
定休日等
料金 500円
※平成23年12月現在

~田舎暮らしも体感できるアートイベント~

地元の人とイベントに来た人々が交流を持つ風と土の交藝。ここ「風結い」では日替わりで地元の人々による料理がふるまわれた。

 滋賀県高島市に移住する人をサポートする「結びめ」。その結びめが主催となって開くのが『風と土の交藝』と呼ばれるアートイベントだ。高島を創作の場として移住してきた[風の人]と、高島で育まれ地域に根ざす[土の人]、両者の暮らしと手仕事を堪能できるオープンスタジオ型イベントとなっている。2011年1月28、29、30日に第1回目が、2011年12月2、3、4、日に第2回目が開催された。ただ作品を見るだけでなく、作品の鑑賞を通して手仕事作家たちとの交流が持てる。また、高島での暮らしぶりなども聞けるまたとない機会にもなっている。

榎並谷さん夫妻。滋賀県は昔から釣りに来るなど遊びなれていた場所でなじみがあったという。土地も安く購入でき、今は制作に励んでいる。

高島は水源の郷として豊かな自然に恵まれ、京阪神からの交通の便が良く、ほどよい田舎具合といったロケーションから移住者が多い。また多くの交藝作家がものづくりの拠点としてアトリエを持つ、あるいは移り住んでいることが特徴である。移住を考える人にとっては大きな魅力を秘めている地だといえる。「結びめ」ではこの魅力的な高島の地と、ここで暮らす作家たちの活動をもっと多くの人に知ってもらいたいという思いが「風と土の交藝」開催のきっかけになっているという。
 会場となるのは高島市内全域。第2回目は45件の出店があり、JRの駅近辺もあれば朽木や在原など移動には車が必須となる場所でも行われた。点在する会場間の移動もこのイベントの楽しみ方の一つで、自然豊かな高島の景色を味わうことができる。

子どものころから木を触るのが好きだった話す谷川良平さん(写真右)

 多くの出店があるイベントだが、ここではいくつか取材を行ったものを紹介する。
 イベントを主催する「結びめ」は山里暮らし交房「風結い」で、建築展と1dayレストランを開催。食は文化ということで、地元で取れた食材を使った料理が提供されていて、高島での暮らしぶりを食事の面から体験できる場となった。「おいしかったよと声をかけてもらえたのが嬉しい」野菜はたくさん収穫できたときに漬物にしておくなど地域の工夫や暮らしぶりが伝わればと料理を担当した地域の方は話してくれた。 
 移住1年目の木工家・榎並谷剛さんは1回目からの参加。当時は工房を借りての参加で、まだ移り住んではいなかった。ギャラリーとして使われていた民家をイベントのときに出合った建物のオーナーに紹介を受けて購入。工房の近くに移住することができたという。このようなつながりが生まれるのも「風と土の交藝」の魅力の一つ。榎並谷さんは「木工作業では大きな音がでるが、地域の方に受け入れてもらえるようになった」と現在の状況を話してくれた。時々近所の人が工房をのぞきに来られることもあるようで、移住した人も地域の人々と交流を持つことで地域の一員となることができるという。「自分の出来る範囲で地域とつながりを持てば地域の人も理解してくれる。それができないのであればここでの暮らしは難しい」。移住を考える際に考えてほしいという。

遠くから来た人々も温かく迎えてくれる。薪ストーブを囲んで出合った人々が一時の団欒を楽しんでいた。

 マキノで木工スクロールソーアートの作品を作る谷川良平さんは、作品作りを始めて6年、大阪に自宅はあるが現在は1年の3分の2はマキノで作品作りを行う。旅行に出かけたときに出合ったものなどを作品にするという。最初は農業をしようと思いマキノでの暮らしを考えたが、猿やいのしし、鹿などたくさんの動物がいることから農業をするのが難しいと言われたことがきっかけで作品作りをはじめたという。
 陶芸と蕎麦屋を楽しむ赤代隆司さんは谷川さんと同じ地区で陶芸と蕎麦打ちを楽しむ。ここでの暮らしを聞くと「まるで猿の遊園地になっている、庭の木にふくろうがやってきたのには驚いた」など生活する中で体験できるエピソードなども聞くことができる。

 これらの他にも多くの出会いと交流の場があり、イベント期間中にすべて回るのは難しいだろう。だが、イベントが高島の魅力を知る一つの機会となっている。京都や大阪から来たという女性3人は「普段の生活は疲れるけど、ここはまるで夢のような世界。確かに大変なこともあるかもしれないが、自分の生活をかえようと思いたくなる」と堪能していた。「結びめ」の原田さんは「同じことをやっていてはいけない。イベントとしての質を上げてもっと多くのお客さんに楽しんでもらいたい」と話した。

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