芸術再発見

ジャズトランペッター 濱田博行さん

ジャズトランペッター 濱田博行さん

~平成22年滋賀県文化奨励賞受賞者に聞く~

大津市立志賀中学校での音楽鑑賞会の様子。

大津市立志賀中学校での音楽鑑賞会の様子。

 ジャズトランペット奏者として活動されている濱田博行さん。ジャズ界のネットワークを生かして、サックス奏者の古谷充氏らと県内文化ホールやフェスティバルにおいて、質の高いライブ演奏を繰り広げている。また、県内小中高校における音楽鑑賞会への出演による普及活動や、トランペット・レッスンによる後進の育成など、滋賀のジャズシーンの活性化にも寄与。平成22年に滋賀県文化奨励賞を受賞された濱田さんが、出身地の大阪から滋賀県に拠点を移した理由や滋賀県についての思い、ジャズを通じてのかかわりなどをうかがった。

「音楽鑑賞会など、地域に根ざした活動の手ごたえを少しずつ感じています。これからも続けていきたいですね」と濱田さん。

「音楽鑑賞会など、地域に根ざした活動の手ごたえを少しずつ感じています。これからも続けていきたいですね」と濱田さん。

 大阪で生まれ育った濱田さんが、滋賀に拠点を移したのは平成元年のこと。「ジャズの練習のために、24時間音が出せる環境がほしいと思ったからです。だからといって、山奥に住んでしまうと音楽活動に支障がでてしまう。生活と自然のバランスが必要でした。その点では、滋賀はベストといえるかもしれません。高島にいい場所をみつけて練習場にしました。周囲には家が無い森の中なんです」と濱田さん。高島で行う練習は、24時間音を出せる環境が手に入ったこと以上に大きな影響を与えたという。「大自然の中で音楽ができるのは、やはり魅力です。高島では四季の移り変わりがはっきりと分かります。生活もゆったりしたものに変わったような気がします。今は大津市堅田にジャズライブハウスを開くなど、生活の拠点そのものは大津に移っていますが、今も高島の自然の中での練習は欠かせません」

演奏を交えながら、ジャズの歴史などを学生たちに解説する。

演奏を交えながら、ジャズの歴史などを学生たちに解説する。

 滋賀に移り住んだのを期に積極的にライブ活動を行い、堅田にジャズライブハウスをオープン。さらに小中学校での音楽鑑賞会を行うなど、特に滋賀県を中心にジャズシーンの活性化に努めている。「ジャズフェスタが増えるなど、確実に滋賀のジャズシーンは盛り上がっています。その動きに参加し、人の心を動かすような演奏をするというのはもちろんですが、草の根的に広がっている滋賀のジャズシーンをさらに活性化するための、機会や活動場所を“作る”という点でも寄与できればという気持ちを持っています」と濱田さん。今後は、若いジャズマンに成長の機会を与えたり、海外や東京からアーティストを招聘して演奏してもらい、地元の人に聞いてもらうという活動に力を入れたいと話してくれた。

 滋賀県文化奨励賞の受賞については「正直びっくりしたというのが一番の感想です。賞に見合うような演奏をしたいという自覚も生まれ、変化があったようにも思います。同時に、ほんの少しだけ滋賀のジャズシーンに貢献できたかなという気持ちもありますが、音楽活動を認めて賞にまでつなげてくださった方々がいらっしゃったのは心から嬉しく思います」と語る。今後の目標は「ロック界のイナズマロックフェスのように、琵琶湖の波打ち際でジャズの大きなイベントを開催したいです。滋賀にご恩返しをしたいので、ジャズを通して滋賀や琵琶湖のイメージを更によくするお手伝いをさせていただけたらと思っています。そして他県の方からは、滋賀って凄いねと思っていただけるようなムーブメントを起こせたら楽しいですね」

濱田博行

(プロフィール)
昭和38年大阪生まれ、大津市在住。
平成8年、大津市瀬田にジャズライブハウス「ねこ」をオープン。
平成13年、大津市堅田に場所を移したのを機に「ジャズプレースねこ」に名称変更。ライブを月1回ペースで開催中。
平成22年、滋賀県文化奨励賞受賞。

中学時代、吹奏楽部でトランペットと出合う。高校のクラブ活動でジャズを始め、大学ではビッグバンドに所属。ポップスグループ「モダンチョキチョキズ」に参加。全国ツアーやテレビ等媒体へ出演するほか、2枚のアルバムに参加。度々ニューヨークを訪れクラウディオ・ロディッテイ氏、岡崎好朗氏に教えを受ける。県内外でのライブ活動をはじめ、メディアへの出演や音楽プロデュースなどに取り組む一方、トランペットのレッスンや学校を舞台にした音楽鑑賞会の開催など、ジャズミュージックに親しむ機会を創出している。
(取材日:平成22年11月15日)

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