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海津大崎の桜・高島市マキノ町

海津大崎の桜・高島市マキノ町

基本情報
名称 海津大崎の桜
URL http://www.takashima-kanko.jp/sakura/ 
(びわ湖高島観光協会サイト内)
文化財指定等 日本のさくら名所100選
所在地 滋賀県高島市マキノ町海津
電話番号 TEL0740-22-6111 (社)びわ湖高島観光協会
営業時間
定休日等
料金
※平成23年11月現在

~湖と山に桜の花が見事に映える海津大崎~

海津大崎に訪れると見事に咲き誇る桜が出迎えてくれる。綺麗に晴れていれば桜の花がアクセントとなって見事なコントラストを見せる。

 桜は日本の代名詞とも言えるような存在で、日本人にとっては親しみのある花である。高島市マキノ町の海津大崎では、4月上旬から中旬にかけて約4.2キロメートルにわたって湖岸沿いの桜が見ごろを迎える。海津大崎の桜は平成2年「日本のさくら名所100選」に選ばれており、近畿県内では遅咲きの桜の名所として知られている。また、湖上につき出た岩礁は「暁霧・海津大崎の岩礁」として琵琶湖八景の一つとして数えられている。この時期は緑豊かな山々と奥琵琶湖の透き通るような水の青、そして桜のうすいピンクの花びらがすばらしいコントラストをみせる。

桜並木のトンネル。シーズン中は土日に限らず平日でも交通量は多い。

 海津大崎の桜は、昭和11年(1936)6月に大崎トンネルが完成したのを記念して、現高島市マキノ町の前身である海津村が植樹を行った。約4.2キロメートルにわたって湖岸沿いに約800本のソメイヨシノが植えられており、春の訪れを告げる奥琵琶湖の風物詩となっている。毎年10万人を超す観光客で賑わいをみせる。
 桜のシーズン中は多くの観光客でにぎわい、特にシーズン中の土日は大変な混雑となるため、道路が一方通行になるなど交通整理が行われる。桜並木の通りにも駐車場はあるが、数にも限りがあるので道中車を停めてゆっくり見ることは難しくなる。車で見物する人々は窓を開け、みごとに咲き誇る桜の花を見ていたが、ゆっくりと桜を見て歩きたい場合は電車でJRマキノ駅まで行き、駅から運行されている海津大崎入り口までのシャトルバスを利用するのがよいだろう。
 また、いくつかの観覧船も出ており、湖上から桜をみるのも風情があってよい。東山を主峰とする山々の緑と桜の花の薄いピンク色がみごとに調和している情景を見ることができる。
 実は、この桜並木は海津村の植樹が行われるよりも5年前、当時道路の修復作業員として働いていた宗戸清七さんが自費で桜の苗を植樹したことから始まっている。宗戸さんは当時未舗装であった県道の改良や補修作業を業務とし、助手と3人で毎日リヤカーに土砂を積んではくぼみを埋める、盛り上がっている場所を平らにするという作業に携わっていた。その重労働の疲れを癒してくれたのが、琵琶湖とその沖に浮かぶ竹生島の姿だったという。愛着がわいたこの道に何かを残したいと思った宗戸さんは桜の並木があれば景色が華やかになると考え、桜を植え始めたのだそうだ。それから3年、宗戸さんが植えた桜の若木が花をつけはじめると、村の青年団も協力をはじめ、桜並木の原形がつくられていったという。そして大崎トンネルの完成に伴い、植樹された桜により、現在の姿へとなっていったのである。

獣害防止のネットが桜の成長を妨げるようになったため取り外しを行う。活動には地元マキノ中学校の生徒らも参加していた。

 一人の思いから始まった海津大崎の桜。今もなお春になると見事に満開に咲き誇るのは思いを引き継いだ地元の人々の支えがあってこそ。このマキノの誇りとも言える桜並木を守るため、地元の人々が中心となって平成9年に「美しいマキノ・桜守の会」が結成された。美しい景観を後世に継承していくため、木々の診断、下草刈りや清掃活動、施肥作業など様々な保全活動に取り組んでいる。
 海津大崎の桜も樹齢70年を越すものが増えてきており、かつてのような勢いは見られなくなってしまったのだそうだ。また保全活動に取り組んでも樹齢を伸ばすのには限界があるという。そこで今ある桜を守ると共に、新しく桜の苗木の植栽も行っている。

まだまだこれからが成長途中の若木。大切に育てられている。

 実際に現地を歩いていると、まだ小さな桜の若木をいくつも見つけることができる。これらは地元マキノ出身で今は滋賀を離れている人や、マキノ中学卒業生などから寄付をうけて植えられている。中には大きくなる前に枝が折れて枯れてしまうものもあるが、1000本の桜並木を目標に桜を大切に守り育てていく活動がなされている。
 秋に行われた保全活動では、桜の木への肥料やりと獣害を防ぐために巻いたネットの除去が行われた。保全活動に参加していたマキノ町の男性は「この桜並木はやっぱり守っていきたい大事なもの。毎年多くのお客さんに楽しみにしてもらえて嬉しい」と雨の中にも関わらず、およそ半日、活動に汗を流していた。
 桜の咲く季節、海津大崎に訪れたさいには桜の並木道を歩くとともに、
若木が成長していく姿を見守っていくのも1つの楽しみ方になるのではないだろうか。

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