諸々 再発見

安曇川やな漁・高島市安曇川町~その2

安曇川やな漁・高島市安曇川町~その2

基本情報
名称 安曇川やな漁
URL
文化財指定等 平成18年水産庁選「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」
所在地 高島市安曇川町北船木 安曇川南流
電話番号 0740-34-0005(北船木漁業協同組合)
期間 3月上旬~7月末。漁期は24時間体制
定休日等
料金 見学無料
※平成22年11月現在
生け簀に入れられたウグイ。小骨は多いが淡白な白身がおいしい魚だ。

生け簀に入れられたウグイ。小骨は多いが淡白な白身がおいしい魚だ。

【その1からの続き】
 3月中旬、川の水温が上がるとともに、魚が遡上をはじめるので、毎日、当番の漁師が3人ずつやな場の前にある番屋にほとんど徹夜で詰める。「簀」にゴミがたまるとやなが破損する可能性があるので、朝4時、11時、18時頃と1日3回ほど、やなのゴミをとる「塵払い」を行う。大水のときは、やなが壊れないように杭や竹の簀を外す。一度外したやなを組み直すには、当番の3人で2時間はかかるという。当番は24時間交代だが、このようにやなの管理や出荷作業などで実際には26~27時間になることも多く、1週間に一度当番が回ってくるというから、漁のシーズン中はみな大変だ。この日は、駒井さん、橋本さん、中山さんの3人が当番を務めていた。

 漁が解禁されて初めに獲れだすのは25~30cmほどのウグイ。このころ、ウグイの腹は婚姻色の鮮やかな赤に染まるので、別名サクラウグイとも呼ばれる。ウグイの最盛期は3月下旬から4月にかけてで、4月になると12~15cm程度のアユも交じりだす。
 一方、アユの漁獲は5月から7月中旬にかけてがピーク。8月になると川の水量も減り、漁獲量も極端に落ちるという。アユは最盛期には毎日1トンの漁獲があり、日によっては2トン、3トンも獲れるようなときもあるが、値が崩れないように漁獲量を調節している。しかも、この時季のアユは、生け簀に入れると縄張り意識の発達もあって、すぐにケンカして体に傷が付いて売り物にならなくなるので、必要以上に獲っても意味はないのだそうだ。獲れたものは朝5時ごろから出荷を始め、地元の卸業者を通して大阪、京都、金沢、名古屋などへ流れていく。4~5月のアユは県内外で河川放流するための稚アユとして出荷され、6月前後のアユは養殖用に出荷されることが多いとのこと。取材当日は豊漁とまではいかなかったが、それでも500~600kgは水揚げがあったというからそれなりの漁なのだろう。主にアユを狙うやな漁は禁漁となる前日の8月20日まで続けられる。

「カットリグチ」に落ちたアユが脱出を試みようとするが……

「カットリグチ」に落ちたアユが脱出を試みようとするが……

「ここで獲れるアユは、見た目に黒みを帯びていて、しっかりとした肉質なのが特徴」と木村さんは誇らしげに言う。河口から500~700mくらいあるので、その間に身がしまるのだという。
「今年は去年よりましだが、ここ数十年を通してみると漁協の漁獲高は相当減った」と木村さんは言う。その理由として、昭和47年から平成9年にかけて行われた琵琶湖総合開発による水辺環境の変化、ブラックバスなどの外来魚の侵入・繁殖による被害、琵琶湖の水質の悪化、川鵜の異常繁殖による被害などの要因が複合的に絡んでいると木村さんはみている。最初に見られた変化は、イサザの減少だったという。その次にモロコが減った。ここ最近は、えり漁でスジエビやテナガエビが急に獲れなくなったそうだ。川鵜被害に関しては、20年くらい前から被害の拡大を感じていたが、宮内庁が管轄する「鵜飼」との関係で鵜を悪くいうことがはばかられていた。やっとのこと10年ほど前から「鵜除け」のテグスをやなの上・下流に張ることができるようになった。【その3へ続く】
その1 その2 その3

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